簿記の試験には総合問題が出題されます。
決算整理前の残高試算表から決算整理を行って、決算整理後残高試算表を作成する問題もあれば、期首の残高試算表から期中取引を集計させるようなタイプの問題もあります。
簿記である以上、どんな問題を解くにしろ仕訳です。
仕訳ができればどんな問題も解けます。
ですので、まずは基本となる仕訳を切れるようにする事が大前提ですが、総合問題を効率良く解くにはやり方があります。
これからご紹介するのは、私が税理士試験の簿記の総合問題を解く際に使っていた方法です。
税理士試験の簿記論は日商簿記と比べて、時間制限が非常に厳しい試験です。
時間内に解ききれない量の問題が平気で出題されます。
日商簿記でも方法は参考になるはずです。
自分用に略した勘定科目を作る
私の場合、現金は「M」、預金は「Y」、売掛金は「ウ」というように自分の中で一文字に置き換えて仕訳を書いておりました。
当たり前ですが、自分が早く書ける文字に置き換えておくと仕訳が早く書けます。
決算整理系ですと、例えば、有価証券の評価替え等がよく出ますよね。
売買目的の有価証券の簿価が500円で期末時価が800円、という問題ならば
みたいな感じで書いておりました。
Uは有価証券、Hは評価、+は益を意味します。
期中に期首簿価10万円の車を現金15万で売った的な問題があったとしたら、
まず売却時までの償却費を計算しますよね。
仮にそれを2万としましょう。
減価償却累計額を使わない直接控除法と仮定すると、仕訳は次のような感じになります。
G 2万 / V+ 7万
斜線が2本入っておりますが、一本の仕訳です。
各勘定の意味は、
M 現金
G 減価償却
く 車両運搬具
V 売却
+ 益
というような感じです。
コツはアルファベットとひらがなを使う事です。漢字一文字でもいいのですが、漢字だと書く動作が増えます。
細かい事なのかもしれませんし、定着するまではしんどいですが、慣れると総合問題を解くスピードはかなり上がります。
計算用紙を使わない
税理士試験では計算用紙が与えられますし、日商簿記も計算用紙が与えられます。
私は基本的に計算用紙は一切使いませんでした。
計算用紙を使うと意識、確認する動作が増えます。
どういう事かといいますと、問題用紙と計算用紙を使って、解答用紙に書くよりも、問題用紙に全ての情報を集計して解答用紙に書いた方が意識する動作、項目は減りますし、結果的にミスも減少すると私は考えております。
例えば、決算整理をさせるタイプの問題を解くとします。
この場合、決算整理前の試算表が与えられます。
決算整理を行う際に問題文の横の余白などに、直接仕訳を書き込んでいくのです、
問題を解き終わったら、決算整理前試算表の数字と仕訳の合計を回答用紙へ。
減価償却などの決算整理で出てくる科目は、恐らく決算整理前試算表には出てこないでしょうから、直接回答用紙へ。
日商から税理士試験の会計科目まで通しても、私は計算用紙は基本的に使う必要はない、思います。
簡単な仕訳は頭の中で切る
日商では出題されないかもしれませんが、例えば期首の試算表があって、期中取引、決算整理を行って決算整理後残高試算表を作るようなタイプの問題があったと仮定します。
期中取引を行うような問題ですと、売掛金の回収とか手形の振り出しとか、簡単な取引も処理しなくてはなりません。
そういった取引は極力書かずに頭の中で仕訳を切り、直接期首の試算表の数字の横に書いてしまうようにします。
この例の場合、収益、費用は期首の試算表には載っていないでしょうから、試算表の横にT字の勘定を書いてそこに集計していきます。
全て解き終わったら、電卓を叩いて、回答用紙に転記します。
頭で仕訳を切るのは、あくまで、簡単な取引だけにするべきです。
具体的にいうと、一行の仕訳でしょうか。
基本事項は一度読んで把握する癖をつける。
例えば、決算日とか今が決算整理前なのか、期首なのかといった基本的な情報は一度読んで把握する癖をつけておくべきです。
よく、この辺の情報を計算用紙とかにメモしている人がおりますが、それは効率が悪いかと思います。
これらの情報は問題を解いていく最中に常に意識しておかねばならない情報です。
計算用紙に書いているということは、計算用紙を使って把握している、という意味になり頭では把握していないということです。
そうするとうっかりミスにもつながりますし、いちいち紙を確認する動作が無駄です。
一度読んでスパッと頭に入れる癖をつけておきましょう。
最初はできなくても、慣れれば意識しなくともできるようになります。
練習とは動作を意識して繰り返す事に、無意識でできるようにする事だと私は思います。
まとめ
テクニックというほどのものでもありませんが、これらの動作を突き詰めていくと、簿記の総合問題を解く時間はかなり短縮はされるはずです。
勘定の略なんかは結構やっている人、多そうですし。
もし参考になるな、と感じていただけましたら、試してみてくださいね。