勉強や頭を使うパフォーマンスを上げるには私達の頭がどうなっているのか、知っておくおくことも有効だと思います。
「海馬」という難しそうなタイトルですが、とても読みやすいです。
「海馬」には人間がもっと賢く、楽しく生きるためのヒントがいっぱい詰まっております。
文章は東大の研究者の池谷さんとライターの糸井さんの対談形式です。
難しい専門用語も出てきますが、説明もありますし、基本的に私達の身の回りの例で話をしてくれますのでわかりやすいです。
例えば、一般的な物忘れは老化が原因ではない、という話はユニークです。
子供が10の記憶しかないが、大人は10000の記憶があるから、歳をとれば取る程記憶を探すのが大変だからだそうです。
また、朝鮮人参で記憶力がアップする、というのも面白かったです。
詳しい事は「海馬」に書かれておりますが、記憶力と脳の可塑性には密接な関係があって、朝鮮人参は脳の可塑性を高める作用があるとか。
私、随分前に実際に薬局で買って試してみたのですが、効果はよくわからなかったです。
しかし、朝鮮人参は高かった。20食で1万円ぐらいしたような気がします。
センスや感性は学べる、というのも面白かったです。
こういうモノを学ぶっていうのは、認識する、という意味合いが強いように個人的には思います。
「海馬」で一番、興味をそそられたのは人間の能力は足し算ではなくかけ算で進化していくという話です。
つまり、やればやる程能力は向上していく。
「継続は力なり」という言葉がありますが、海馬ではその言葉の根拠を説明してくれております。
勉強も運動も同じでやればやるほど脳に回路が増えていき、上達していく。
続ける事の大切さを理解できたような気がしました。
「海馬」は純粋な読み物としても面白いと思います。
興味がありましたら、読んでみてください。