日商簿記検定と言えば、商工会議所が主催の簿記資格の定番ですね。
簿記の他には全国経理教育協会が主催する「全経簿記」などもありますが、日商簿記検定が一番メジャーだと思います。
試験は4級から1級まであり、1級合格者には税理士試験の受験資格が付与されます。
4級からありますが、通常は3級から受験される方が多いようです。
本記事では日商簿記検定3級の合格難易度や取得のメリットについて記述しております。
日商3級の資格取得のメリット
一番大きなメリットとしては、簿記の基礎が学べるということだと思います。
簿記というものは、会社や商売をしている個人がいくらもうかっていて、いくら資産や負債があるのかを決算書という数枚の紙にまとめるための技法です。
簿記には単式簿記と複式簿記がありますが、日商検定は複式簿記を学びます。学習における簿記といえば、基本的に複式簿記という認識で構わないと思います。
複式簿記では仕訳という方法を用いて、取引を2つの側面から記録していきます。
3級では資産、負債、費用、収益、純資産などの区分を学習しますので、正しい仕訳を切るために必要な基礎を学べます。
簿記の学習、経理の仕事の土台となる知識を体系的に習得できます。
実務的には3級で十分な場合も
そこそこ大きな会社になってくると話は別ですが、小さな個人商店、零細企業レベルであれば、簿記3級レベルの知識で9割型の記帳はできます。
近年の経理はほとんどの場合、会計ソフトを用いて行うと思いますが、小さな会社で決算までに必要な内容は、
●現金や預金で買った場合の経費の計上
●仕入や売上の計上
●人件費の計上(預かり源泉税)
●三分法による売上原価の算定
●未払や未収、前払や前受などの経過勘定項目
これらができれば、十分だと思います。
もっとも、消費税の課税事業者である場合は、記帳の際に消費税法にもとづいた判断を要しますが、会計の知識的には3級レベルで十分だと思います。
多少厳しそうな処理としては、税務の知識が多少必要とされる固定資産の処理などでしょうか。
しかし、日常の記帳業務の大半は日商3級レベルで十分可能だと思います。
日商簿記3級は履歴書に書ける?
一般的には履歴書に書けるのは日商簿記2級からという意見が多いですが、日商簿記3級だって履歴書にもちろん書けます。
ただし、3級の資格を履歴書に書いてアドバンテージになるかと言われれば、直接的にはならないと思います。
履歴書に書く場合、日商3級そのものを生かすというよりは、経理に興味があることの証明というニュアンスがよろしいかと思います。
「今後はそういう方面を勉強していきます」
「経理に興味があるので、今後は2級を取得するつもりです」
というアピールに使う感じでしょうか。
個人的には日商3級のメリットは資格そのものよりも、知識的なメリットの方が大きいと思います。